電子公告についての注意点など



掲載すべき媒体
貸借対照表の公告は、定款で定めた「会社が公告をする方法」で行います。(会社法より)

定款で定めた公告方法 貸借対照表を掲載すべき媒体
官報 官報 【1】
日刊紙 日刊紙【1】
電子公告 電子公告

【1】貸借対照表をウェブページで公開するとしている会社の場合には、官報や日刊紙への掲載に代えて当該ウェブページに掲載すればよい。(会社法)


いつ決算公告行うのか?

 株式会社は、定時株主総会の終結後遅滞なく、公告しなければならないとされております。


要旨による公告とは?

・貸借対照表の記載事項(会社計算規則第138条から第142条)

 貸借対照表は「資産」「負債」「純資産」に分類します。

 ☆ 資産の部は「流動資産」「固定資産」「繰延資産」に区分します。
   株式の一部でも譲渡制限がついていない場合は、固定資産にかかる項目は
   「有形固定資産」・「無形固定資産」・「投資その他資産」に細分化して
   掲載する必要があります。

 ☆ 負債の部は「流動負債」、「固定負債」に区分します。
   負債にかかる引当金がある場合(例えば、「賞与引当金」)は、他の負債と区分して
   記載することになります。

 ☆ 純資産の部は「株主資本」「評価・換算差額等」「新株予約権」に区分します。
   株主資本は株主が出資した「資本金」のほか、「資本準備金」「資本剰余金」
   「利益準備金」「利益剰余金」などで構成されます。
   評価・換算差額等は「その他有価証券評価差額金」「土地再評価差額金」
   「繰延ヘッジ損益」で構成されます。

・損益計算書の記載事項

 損益計算書の要旨は、次に掲げる項目に区分しなければならないとされております。
 一 売上高
 二 売上原価
 三 売上総利益金額又は売上総損失金額
 四 販売費及び一般管理費
 五 営業外収益
 六 営業外費用
 七 特別利益
 八 特別損失 

全文による公告とは?

 電子公告(全文公告)の場合に、計算書類の個別注記表をどこまで掲載すれば良いかは会社計算規則第136条に必要な事項が定められています。
 全文公告の場合に、計算書類の個別注記表をどこまで掲載すれば良いか、会社計算規則第136条に必要な事項が定められています。

 具体的には
 ①継続企業の前提に関する注記
 ②重要な会計方針に係る事項に関する注記
 ③貸借対照表に関する注記
 ④税効果会計に関する注記
 ⑤関連当事者との取引に関する注記
 ⑥一株当たり情報に関する注記
 ⑦重要な後発事象に関する注記
 ⑧当期純損益金額       の記載が必要です。

 ただし、①~⑦については、当該事業年度に係る個別注記表に表示した注記に限るとされ、⑧についても損益計算書を公告している場合には不要となっています。また、会計監査人設置会社を除いた非公開会社では、②⑧のみを表示すれば足りると解されています。


電子公告の文面に記載する方法

1 原則として自由

 電子公告では、記載について特にルールがないため、原則として自由に記載することができます。ただし、日本法に基づく公告であることから、日本語以外の言語のみで記載することは、認められないと考えられています。

2 慣例

記載は原則として自由です。しかし、電子公告の制度が発足してから既に約15年が経っており、慣例と呼べるようなものができているように思われます。
 具体的には、次のようなものがあります。

 電子公告では、文字数、枠数などの掲載スペースによって料金が決せられません。そのため、一般的に必要的記載事項のほか、任意的記載事項まで記載されることが多く、記載する情報量は他の公告方法に比べて、多少多くなる傾向があります。